Molestation
痴漢
痴漢による逮捕
「夫が痴漢行為で警察に逮捕されたんです!」「息子が痴漢の容疑をかけられているらしいんだけど」という突然の出来事に、多くの方が混乱してしまうことでしょう。
痴漢による逮捕には、通常「現行犯逮捕」と「後日逮捕」という2つのケースがあります。一般的には、「痴漢!」と叫ばれ、その場で警察官が逮捕するイメージが強いかもしれませんが、痴漢の場合でも「後日逮捕」というケースは存在します。なぜなら、痴漢を行った人を逮捕することが目的なので、後日でも「痴漢行為が確認されれば逮捕される可能性があるからです。
刑事訴訟法の第213条では、逮捕状がなくても現行犯逮捕が可能とされています。
したがって、身分が一般人であっても、警察から「後日連絡があったら取り調べに協力してください」と言われた場合、現行犯逮捕されないことが殆どです。 一方、「後日逮捕」の場合は、痴漢の逮捕状が発行されており、逮捕状を持った警察官が疑われる人の自宅を訪れ、逮捕します。しかしながら、「後日逮捕」は防犯カメラなどを使って痴漢行為をした本人であることが特定されるなど、特別な条件が揃わない限り、痴漢による後日逮捕は非常に少ないのが現状です。
しかし、後日になって防犯カメラの映像や証言などによって、特定の人物が痴漢したことが明らかになれば、現行犯逮捕ではなくても逮捕される可能性があります。

後日逮捕の場合、証拠は?
電車などの乗車記録
被疑者が痴漢を行ったと証言する被害者・目撃者が現れた
DNA鑑定により被疑者が痴漢をした疑い
防犯カメラに被疑者が痴漢をする行為が写っている

「痴漢をしてしまった」時は現行犯逮捕されなくても弁護士に相談を
痴漢で有罪になるとどのような刑罰を受けるのか
有罪の場合、罰金刑であっても前科が付きます。

迷惑防止条例違反
各自治体ごとの条例
各自治体ごとに懲役期間や罰金の額は異なります。
一般的に1回目の痴漢による有罪の場合、略式手続で約30万円の罰金となることが多いです。
強制わいせつ罪
6ヶ月以上10年以下の懲役刑となり、重大な犯罪となります。
執行猶予が付くことはあっても、罰金刑になることはありません。
会社をクビになる?
逮捕されても、勤務先に連絡が行くことはありませんが、逮捕後に長期間欠勤が続くことで明らかになることも多いため、弁護士に相談して早めに対策をしましょう。
痴漢で逮捕されたが、痴漢をしていないので冤罪?
ご自身が痴漢をした覚えが無いのでしたら、その場から逃げたり、逮捕後に冤罪判決を待つのではなく、その場で「私はやっていません。弁護士を通してお話します」と伝え、弁護士に連絡をしましょう。
走って逃げることで、「現行犯逮捕」の要件である「逃亡の恐れ」と判断されると、逮捕されて勾留される可能性が高くなってしまいます。
痴漢の疑いをかけられたときの被疑者の反応や言動はその後の流れにも影響します。
しっかり弁護士を通して無罪を主張しましょう。
Forced Indecency
強制わいせつ
強制わいせつ罪
刑法176条(強制わいせつ)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6ヶ月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつに該当する犯罪
被疑者の性欲を満たすために、モラルや道徳から外れた行為をした場合に「強制わいせつ罪」となります。 「性行為を相手の許容なしに強制する」「体に触る」「服を脱がせる」などもこれにあたります。 強制わいせつ罪は「6ヶ月以上10年以下の懲役」とされており、有罪になると執行猶予が付く可能性はあっても罰金刑のみという刑罰にはなりません。「懲役が必須」になります。
相手(被害者)が未成年の場合
18歳未満の未成年に対する性行為は、各自治体の定める条例違反等で処罰される場合もあります。
痴漢行為と強制わいせつ罪の違いは?
痴漢による条例違反の「迷惑防止条例違反」となるか、刑罰「強制わいせつ罪」と判断されるかは、その時によります。 一般的には、服の上から触った場合は迷惑防止条例に違反となり、身体に直接触れた場合は強制わいせつ罪となるケースが多いです。 服の上からの接触でも、執拗だと判断され強制わいせつ罪に問われることもあります。
準強制わいせつ罪
刑法178条で「正常な判断が出来ない状態」や「抵抗ができない状態」にある人に対してわいせつ行為を行った場合、「準強制わいせつ罪」となります。 泥酔中・睡眠中の人も正常な判断ができない状態ですので、このような状況下でのわいせつ行為も強制わいせつ罪にあたる場合があります。 また、立場的に拒否が難しい関係の人からの強制性行為も強制わいせつ罪にあたります。
監護者わいせつ罪
刑法179条 監護者わいせつ罪は、18歳未満の者に対し、監護者であることを利用してわいせつを行った場合に刑罰となります。 被害者に対して暴行や脅迫を行っていなかった、被害者と同意があった、という場合であっても監護者わいせつ罪は成立します。 以前は「罰金刑」のある児童福祉法違反が適用されていましたが、2017年より新しく制定された「監護者わいせつ罪」という法律で罰金刑のない処罰となりより重い刑罰となりました。 強制わいせつ罪により被害者が死傷した場合は、「強制わいせつ等致死傷罪」となり「無期懲役又は3年以上の懲役」が科せられます。
強制わいせつで逮捕される可能性
強制わいせつ罪は、「逮捕」される場合が多く、「有罪」となると懲役が免れません。 勾留による身体拘束や懲役刑、周囲には犯罪が明らかになります。 強制わいせつ罪は起訴されるとほぼ実刑判決となります。 刑事事件弁護士は、強制わいせつで逮捕・勾留された場合、「早期釈放」を目指します。 弁護士を雇うと逮捕後の保釈請求や、勾留を防ぐなどの最適なアプローチができます。 逮捕後に家族と会うのは制限があり困難ですが、弁護士ならいつでも留置場で面会可能です。 強制わいせつ罪で家族が逮捕された場合、警察から連絡がきた場合はすぐに当弁護士事務所へお問合せ下さい。