College Student Crime
大学生の犯罪
将来性のある若者の犯罪に適切に対応することで未来を守る
大学生が事件を起こし逮捕されてしまった場合、本人や親御さんは不安でたまらなくなります。
今回は、大学生が逮捕された場合、その後の流れや在学中の大学がどうなるのか、退学を免れる方法など解説していきます。
大学生の逮捕後は?釈放されるのか?
大学生の犯罪は、本人の「年齢」がとても重要です。「20歳」を超えている大学生なのか、それとも「19歳以下」の大学生なのかで、大きく逮捕後の流れが変わります。
どちらの場合も、刑事事件弁護士を早期に雇うことで、不当な処分を防ぎ未来を守ることにつながります。

「通常逮捕」と「現行犯逮捕」の違い
大学生でも、「20歳以上」の方の場合は、通常通り「逮捕」されます。
「通常逮捕」、「現行犯逮捕」の違いについてご紹介します。
通常逮捕は、「後日逮捕」とも呼ばれる逮捕の形式です。
「刑事訴訟法」のもと、一定階級以上の警察官及び検察官などが逮捕状を請求し、さらに裁判官が逮捕の理由や必要性を認めることで、逮捕令状が発付され、逮捕されます。
現行犯逮捕は、犯行中や犯行直後の犯人を現場で逮捕することを指します。現行犯逮捕に逮捕状は必要なく、「私人逮捕」といって通行人など一般人の方でも逮捕できるのが大きな特徴です。 ただし、逮捕後はすぐに警察官などに犯人を引き渡す必要があり、私人逮捕した人も取り調べを受けることとなります。

逮捕後の身体拘束は最大23日間
逮捕勾留から、起訴前までの身体拘束は最長で「23日間」続くことがあります。「起訴」、「不起訴」が決まるまでの期間のことです。
逮捕後、微罪処分として釈放される場合もありますが、それに該当しない場合には、事件を検察官に引き継ぐ検察官送致が「48時間以内」に行われます。
その後、検察官の判断により「24時間以内」に「勾留請求」が行われます。
そして、勾留質問等の後、原則として「10日間拘束」されます。また、必要に応じて「プラス10日間延長」されることもあります。
この間の捜査で検察官は、起訴か不起訴かを慎重に判断します。不起訴となった場合は「釈放」となりますが、起訴されると、刑事裁判(略式裁判、正式裁判)が開かれます。罰金刑や懲役刑等の刑罰は、この裁判によって決められます。日本では、刑事裁判になるとほとんどの場合「有罪」となります。

19歳以下の大学生は「家庭裁判所」に送られる
19歳以下の大学生の場合も逮捕に至ることがありますが、「少年(未成年)」として扱われます。
14歳以上で「責任能力がある」と判断され、19歳でも現行犯逮捕や後日逮捕が行われることもあります。
「刑事裁判」と「少年審判」がありますが、19歳以下の方の場合は、審判時点の年齢を基準としてどちらを受けるかが決められます。
つまり、罪を犯した日はまだ10代だったとしても、捜査や調査中に20歳を迎えた場合は、刑事裁判となります。
少年の逮捕は取り調べの後、重い犯罪が認められると検察庁へ送致されます。必要に応じて検察は勾留請求を行い、最大20日間勾留されますが、少年事件の勾留は例外として扱われています。
基本的には、事件の捜査後、検察が意見や資料を家庭裁判所に送ります。最も軽微な事件の場合では、警察から家庭裁判所に事件を送ることもあります。
少年事件について、捜査機関は一定の嫌疑があると判断したものをすべて、家庭裁判所に送ることとなっています。検察官の裁量によって判断される通常の事件とは少し異なるのが少年事件の流れの特徴でもあります。

「観護措置」「少年審判」を検討される
家庭裁判所では、まず、裁判官の面接が行われます。
その面接の結果、24時間以内に観護措置が必要である場合には鑑別所への送致、もしくは調査官の観護が決められます。
また、同時に調査官による調査も行われます。犯行に至った動機、少年の家庭環境、交友関係など、詳しい調査が入ります。
本人との面談のみならず、家族との面談、大学に書面で質問を送って回答を提示してもらうことも。
調査官の観護となった場合には、在宅で観護を受けていただきます。
「鑑別所送致」となった場合には、少年鑑別所に収容されます。収容期間は「原則2週間」とされていますが、実際は「4週間収容」されることがほとんどです。
19歳以下の大学生は「少年審判」で最終処分が決定される
「保護処分」が必要であると判断されたら、「少年審判」が開始されます。
この少年審判は、19歳以下の者の「更生を目的」としているので、20歳以上に適用されるような裁判の「保釈制度」などはなく、原則として<非公開>で行われます。

少年審判の処分内容は以下の4つです。

① 不処分
少年審判は開かれたものの、処分は必要ないと認められることです。「不処分」をもって、事件は終了となります。

② 保護処分
少年院への送致、保護観察処分、児童自立支援施設への送致があります。
これらの処分は、19歳以下の者の更生と教育を目的としているので、刑罰として処分されるものではありません。
少年院に収容されると、2年程度の期間で矯正教育や社会復帰支援等が行われます。
また、保護観察処分となった場合には、保護司の監督下で今まで通りの社会生活を送りながら、更生を目指していきます。

③ 知事や児童相談所長へ送致
知事や児童相談所長へ事件を送致して、判断を委ねるケースもあります。

④ 検察官送致決定(逆送)
事件の悪質性等が認められ、刑事罰相当に値すると判断された場合には、事件を検察官に送致します。
この場合は、刑事手続きを受け直すこととなり、20歳以上の者の逮捕と同様に刑事裁判が開かれます。
大学生が逮捕されると退学になるのか?
「逮捕=退学」とはなりませんが、「退学処分」になることはあります。

各学校の学則によって決定される
大学生の懲戒処分は、各学校の学則に準じて決定されます。その基準は大学毎で大きく異なるため、一概に「退学になる」、「退学にならない」の判断はできません。

20歳以上の場合は不起訴処分と前科・退学の回避を第一に
日本では刑事事件で起訴されるとほぼ「有罪」となります。
つまり、起訴された時点でほとんど「前科」が付くのです。
不起訴となれば、刑事裁判も行われず、前科もつきませんので、まずは、不起訴処分を目指したいところです。
また、大学の懲戒処分については、不起訴でも退学になってしまうケースはあります。何としてでも退学は避けたい場合では、不起訴処分を獲得した後、釈放を目指すことが重要です。
そして、この不起訴処分を得るためには、検察官が起訴、不起訴を判断する前に示談を締結するなどの素早い行動が必要になります。
刑事事件に強い弁護士に相談することで、早期釈放や退学回避できることもありますので、事件が発生したらとにかく即弁護士を雇いましょう。
19歳以下の場合は迅速に社会復帰させることを第一に
少年事件においては、少年が「更生」できるかどうかを示していくことが重要となりますので、弁護士の助言のもと、更生サポートを受けてください。
具体的に弁護士は、家庭環境や学校や職場などの調査を行い、更生のサポートをします。
少年裁判は<付添人>と呼ばれるものをつけることができます。通常は弁護士が務めるものです。付添人のためにも早期に弁護士を雇いましょう。
事件終了まで最大限スピーディーに
刑事事件弁護士は、事件終了までの期間をなるべく短くするための手段を知っています。
例えば、不起訴による釈放の可能性を高めるためには、被害者への対応を素早く的確に行うことなどが重要ですが、これも刑事事件について専門的な知識がないと正しい対応が難しいです。
真摯に反省して謝罪を行い、示談を締結することで、再犯リスクや加害者家族への影響などの情状を考慮してくれ、釈放の可能性が高まります。

19歳以下の大学生の場合は、更生を目的としているので、示談が済んでも審判不開始や不処分となるわけではありませんが、何より本人が事件に向き合い謝罪し、更生に向かっている事実を示すことができるので、結果的に処分の軽減に繋がります。

大学生の犯罪は、ご本人もご家族も不安でたまらないと思います。 刑事事件弁護士を早期に雇うことで、しっかりプロセスや手法を知った上で最短の事件終了を目指しましょう。